明日は明日の風が吹く

某塾で個別指導講師やってます。日記とか考えたこととかを記事にしています。

宋襄の仁とジョジョの奇妙な冒険のおはなし

f:id:MT6538:20180826204348j:plain

 

 

こんにちは、M(エム)です。皆さんは「ジョジョの奇妙な冒険」をご存知ですか。女性の方も名前ぐらいは聞いたことがあるかもしれません。今でもパラレルワールドながら物語は続いています。2018年8月24日から国立新美術館で「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」やってますのでご興味ありましたらリンク見てください。

 

まずは「ジョジョ」、物語の始まり

 

第一部、ファントムブラッド編の主人公はジョナサン・ジョースターと言います(代々主人公のニックネームがジョジョ)。イギリス貴族のジョースター卿(ジョジョの父親なので以下、ジョジョパパと表記)が馬車の事故で妻を亡くし自身は気絶していた時、金品を奪いに来たダリオ・ブランドーを命の恩人と勘違いします。何年か経ち、ダリオは病死しますが、恩を返すためジョジョパパはその息子ディオを引き取ります。

 

このディオ、知能も運動能力も高い狡猾な悪党で、ジョジョにさんざん嫌がらせをします。悪い噂を流したり時計をパクったりボクシングの試合で目玉に指を突っ込んだり愛犬を焼き殺したり恋路を邪魔したりしますが(多いなー)、意外にもジョジョが侮れないとみるや一転、その本性を隠して7年間表面的にはジョジョと仲良くし、ひそかにジョースター家の財産を狙っていました。

  

ディオはジョジョパパに遅効性の毒を盛っていたのです。自分の父親を毒殺したのと同じく、病死に見せかけるためでした。ジョジョに悪事の証拠を突きつけられますが、自首するから待ってくれと言って時間を稼ぎ、謎の石仮面をつけて不死の吸血鬼と化したます。これがジョースター家の因縁の宿敵となるモンスターの誕生の瞬間でした。その寸前、ジョジョパパは息子をかばってディオにナイフで刺され死んでしまうのです。

 

銃で撃っても死なず、人間離れしたパワーとスピードを持ち、人間を吸血鬼にしたり死者を生き返らせて操ったり、人体を凍らせたり目からビームを出したりするこの怪物ディオを倒すため、ジョジョは太陽のエネルギー「波紋」を修行により習得することで成長して強くなっていくのですが、それらについてはネタバレになりますのでよろしければ作品の方を読んでみてください。

 

ディオ「おれが短い人生で学んだことは・・・・・・人間は策を弄すれば弄するほど予期せぬ事態で策がくずれさるってことだ!・・・・・・人間を超えるものにならねばな・・・・・・おれは人間をやめるぞ!ジョジョーーーッ!!」 

 

 

 一方、宋襄の仁とは

 

かつて中国で、宋という国に楚という国が攻め込んできたことがありました。楚の軍隊が川を渡り始めた時、宋の君主、襄公と家来は次のようなやり取りをしました。

家来「殿、敵が川を渡る前に攻めましょう」

襄公「そんな卑怯なことができるか。相手が陣形を整えるまで待たんかい」

家来「」

楚は十分に陣形を整え、宋をさんざんに破りました。襄公はこの時に受けた傷が元で2年後に亡くなったということです。

 

紳士のポリシーを貫くことの是非

 

ディオを引き渡すためにジョジョが呼んだ警察官は、かつてダリオを捕まえたことがありました。彼の回想で、ダリオが馬車事故で指輪を盗んでいたことをジョジョパパ自身が知っていて許していたことが明らかになります。ダリオは島流しの刑を免れたのでしたが、警察官はそのことを後悔することになったのです。

 

ジョジョパパ「君・・・彼はこう言わなかったかね?『この指輪はわたしにもらった』・・・と」

警察官「ええ 言いましたよ!とんでもないウソをね!」

ジョジョパパ「いやウソではない・・・この指輪は彼にあげたものだ」

 

この過去の顛末を説明し終えると速攻でこの警察官はディオに殺されます。漫画の都合上用意されたキャラでした。ジョジョパパの気高い行動はヴィクトル・ユーゴーの「ああ無情(レ・ミゼラブル)」という文学作品を想起させる美談なのですが、この善行によって、直接ディオに殺害されただけでも

 

ジョジョパパ・警察官・ダイアーさん・初代ジョジョ・花京院・ウィルソンフィリップス上院議員・ヌケサク・・・(今思い出せるだけですがたぶんもっと)

 

間接的にはどれほどの人間が命を奪われたか数えきれません。襄公にしても、自分が日頃美意識として守っている「君子」の作法を戦争に持ち込んだために、自分も大けがをして死に、部下の兵や国民の多くを敵兵の犠牲にするという結果になりました。

 

「情けは人のためならず」ということわざがありますが、「ただし!相手をよく見てな!」ということをなぜ強調していないのかなと思います。

 

人に何かしてもらって、

  • 感謝して返そうとする人
  • 当然だと思い知らん顔をする人
  • カモがネギしょってやってきたラッキーとつけこみ恩を仇で返す人

の3タイプがいますが、上2つはともかく、一番下のタイプは絶対に温情をかけたらダメです。助けた相手に殺されてもいいんですかって話です。

 

おわりに

 

いかがだったでしょうか。いいことをすれば報われる、であってほしいんですが往々にして皮肉な結果は訪れるものです。現実問題として、よく人を観察しなくてはならないし、いいことをするにしてもそのリスクはしっかりと検討しておかなければならないと思っています。ここまで読んでいただきありがとうございました。