明日は明日の風が吹く

某塾で個別指導講師やってます。日記とか考えたこととかを記事にしています。

これまでの経緯12

相変わらずYの不安定な状態は続きました。きわめてヒステリックになり、ささいなことで鬼の形相になるので家族も何も言えません。頻繁に過去のことを思い出しては母を詰問するので私も最初は口を出していましたが、火に油となるので静観せざるを得ませんでした。

 

ある日、派遣の日雇いバイトの帰りに送迎バスの運転手が急ブレーキをかけ、車内で近くにいた人がYに倒れかかってきました。元々痩せ型で筋肉もなかった上、当時は精神的にも病んでいたためその衝撃に耐え切れず、首を痛めて何日か入院することになりました。示談にはなりましたがだいぶごたつき、病院も扱いが気に入らないとかで親に迎えに来させ、治療期間の途中で強引に退院したのでした。

 

これを機にYはほとんど家から出なくなり、首を打ったせいで体がだるいのか昼でも横になっていることが多くなりました。外に出るのは、「自然のあるところに行きたい」と、親が森林植物園などにドライブに連れて行くぐらいでした。

 

そして事態はさらに悪化します。どうやらYは、頭の中から声が聞こえてくるようになっていました。「銀行口座からお金が盗まれている」「○○さんが私の悪口をネットに書きまくっている」「××さんがたった今、死んだ」など、荒唐無稽なことを突然言い出すのです。どうやらその「声」を信じてしまっており、家族の説得はまったく耳に入らないようでした。病院で統合失調症と診断されてしまいました。

 

父方の曾祖母は「拝み屋」をやっていたらしく、他人の仏壇やら神棚をたくさん引き受けて家で祀っていたそうです。証明は出来ませんが、Yはその霊感体質を色濃く受け継いでいるのではないか。当時私はそんなふうに思っていました。病院へ連れて行こうとした際に別人のような野太い声で叫び驚くような力で抵抗したり、中空に向かって目に見えない誰かと会話していたこともありました。「世にも奇妙な物語」さながらで、これはもうホラーとしか言いようがない。どないせえっちゅうねん。ただ滅びを待つ以外にないのだろうか。そう思っていました。